伝統と現代が交差する、プライバシー重視の住空間

藤原慎太郎が手掛ける「豊中の家」

現代社会においてプライバシーは重要な要素であり、それを守りつつも心地よい空間を創り出すことに挑戦した建築家・藤原慎太郎の「豊中の家」。日本の伝統的な建築哲学からインスピレーションを得たこの家は、小さな開口部から見える外の風景が、独特の居心地の良さを生み出しています。

大阪北部の住宅地に位置するこの物件は、密集した家々に囲まれ、特筆すべき眺望はありません。隣接する家々の存在から、プライバシーの保持が最重要課題となりました。そのため、デザインの目的は、大きな窓を持たず、外界から閉ざされた空間でありながら、刺激的で美しい空間を創り出すことでした。

敷地面積は95.60平方メートル、建物面積は53.42平方メートル、延床面積は107.62平方メートルで、最大の高さは8.5メートル、最大の幅は8.4メートル、最大の奥行きは9.5メートルです。この限られた開口部は、密集した住宅地でのプライバシーを確保する一方で、限定された日光が時間の変化を敏感に感じさせます。

プロジェクトは2016年5月に始まり、2018年6月に大阪で完成しました。最大の課題は、開口部を制限しながらも閉塞感を与えない空間を得ることでした。ガラスの床、スプリットレベルの床、スカイライトを用いることで、視線が家の各部分でわずかに通過することを可能にし、閉塞感を軽減しました。

このデザインは、2020年にA'建築、建物、構造デザイン賞でシルバーを受賞しました。シルバーA'デザイン賞は、最高のクリエイティビティ、専門的な顕著さを示すデザインに授与されます。これらのデザインは、強力な技術的特性と素晴らしい芸術的スキルを備え、優れたレベルの卓越性を示し、ポジティブな感情、驚き、ワンダーを紹介します。

写真提供:Katsuya Taira


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Shintaro Fujiwara
画像クレジット: photo credits : Katsuya Taira
プロジェクトチームのメンバー: Shintaro Fujiwara
プロジェクト名: House in Toyonaka
プロジェクトのクライアント: Shintaro Fujiwara


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